出版コンテンツとネット

今関心があることの一つがネットと出版の未来。

実は先月、Book Scanningのローンチパーティに出席させていただいた。
いられたのはほんの30分ぐらい?だったけれど
「Open Library」という単語に結びつく色々なことを学ばせて頂いた。

右の写真はBookmobileプロジェクトのクルマ。これを走らせているのはInternet Archive

昔から移動図書館というものがあったのだが、このBook mobileはデジタル移動図書館。重い本をこの中にえっさほいさと積み込むのではなく、インターネットからpublic domain books(著作権フリーの本)を衛星で落としてきて、いつでもどこでも誰にでも、印刷してくれるというもの。サンフランシスコからワシントンDCまで旅してきて、学校や図書館、老人ホームなどを巡って戻ってきたところ。

このような活動を通して 1)public domain booksをもっともっとデジタルで入手できるようにしていくこと 2) 誰もがデジタルコンテンツを入手できるようにすること。。。を実現したいと活動されている方たちだった。





Open Source Audioの世界。
色々なスピーチや音楽を聴ける。

カンファレンスに行き損ねても、ここで貴重な講演内容を聞けたりする。非常に便利。

右の写真はLivriVoxプロジェクト。

ボランティアベースで動かしているプロジェクトなのだが、
みんながPublicDomainBooksを声で読んで、PodCastしていく。

日本ではあまりオーディオブックって流行っていなくて
それは多分電車通勤が多いので本を読めちゃうから。
アメリカだとクルマ社会なので、
本を読めない時間をオーディオブックを使って
読書タイムにしちゃうと。

ところがオーディオブックは高いし、OpenSourceの物は出してくれるのが遅いし。。。
ということで、自分でプロジェクト作っちゃったらしい。

色々な本の色々なチャプターが色々な人に読まれていて、
それがどんどんアーカイブ化されていく。
誰でも参加できるので、我もという方は是非。
グーテンベルグプロジェクトって知らなかったのですが、
こういうサイトでPublicDomainBooksを見て読み上げて録音してアップすると参加できるそうです(^^)

きっと読むスピードとか声のトーンとか違うので
成熟していくとこの人は人気があるとかないとか出てきて
プチ声優のようなことになるのでは。
最近は声優じゃなくてもタレントとかも声優やっている世の中だし。

「お母さんが寝付くまで本を読んでくれる」のかわりになるかな。
老眼になっても本を聞ける=読める。




ついついこういう物も写真に撮ってしまうのは
職業病なんだろうな。。。(とほほ)




ちなみにこのパーティが行われたGoldenGateClubはサンフランシスコ講和条約が結ばれた地のようで。。。

写真の彼は吉田茂氏。




さて、この話題で避けて通れないのがGoogle
この会合でYahooやMSNの方には会ったけれど、Googleの人はみかけなかった。

GooglePrintLibraryProject

GOOGLEはBook search, Google Printはpublic domain bookのテキスト全てと著作権フリーでない本の5ページぐらいのテキストが検索可能。
University of Michigan, Stanford, Harvard, the New York Public Library, Oxford Universityをなめているというから、一ユーザーとしては舌なめずりです。

しかしながらThe Authors Guildと主要出版社5社はGoogleを訴えると。copyrighted materialを許可なくスキャンするということについて、Googleは一部だけなのだから "fair use"にあたると主張。

で、Amazon1ページからバラ売りしまっせ一部でも課金しまっせと乗り出してきた。

もちろんYahooもこの分野には乗り出していて、
記事のOCAプロジェクトの人たちはYahooの人たちもカリフォルニア大学の人たちもこのパーティに参加していて、プレゼンもしてくれた。かれらはGoogleと違い、PublicDomainのもののみアーカイブ化していく。

カリフォルニア大学の10個の大学図書館には3300万冊の本があり、うち15%ぐらいがpublic domainなんだそうで、日本の美術に関するものも見せてくださった。

MSNもやはりYahoo同様PublicDomainのもののみ行うとのこと。

ちなみに右記はYahooのOCAプロジェクトを真ん中にしたCNETグラフ。
(.comのみで提供)
黒が記事、赤が会社、緑がトピックで、関連している物たちがマッピングされる。
ちょっと楽しい。

日本だと青空文庫著作権フリーの作品4900タイトルをアーカイブ
これを本にして、100円ショップで売っていたりする。

また、iPodで「聞く」のではなく
iPodで「読む」という行動もありうる、と。




あまり関係ないといえば関係ないのですが、
ワタシが個人的に昔からやりたいと思っていたことが
各国の歴史教科書比較だったのです。

日本人が小中学校の歴史の教科書で学んできた日本の歴史と
中国人が小中学校の歴史の教科書で学んできた日本の歴史と
アメリカ人が小中学校の歴史の教科書で学んできた日本の歴史と
そういうものを並べて比較して
なぜどういう国がどの国のことをどう思っているのかを知りたい。

それは別に外交問題とかえらいことを考えているのではなく
その国で教育を受けた、その国の国民が何をどう見ているのか。

理想的には、下記のようなマトリックスになっていて:
縦軸=話題になっている国の名前
横軸=教科書が使われている国の名前
それぞれのセルには、現地の言語と英語翻訳版があって(日本語があると尚嬉しい)

縦軸「日本」は貪り読みたいな。
昔、トルコの遭難船を日本人が助けてあげて
それがトルコの歴史の教科書に載っていて親日の人が多いとか
知らない人が多いと思うし。。