ランチェスター戦略

ランチェスターの戦略

?:弱者の戦略
 五つの原則
敵の姿が司会にはいるようなせまい範囲の局地戦を選べ!
一騎打ち型の場面、状況を作れ
接近戦を展開せよ!
兵力の集約化による一点集中攻撃を掛けよ!
陽動作戦によって偽りの動きを真実と見せかけ、敵の注意をそこへ引きつけよ。


?:強者の戦略
 五つの基本原則
敵が視界に入らない広域的な総合戦を選べ!
一人が多数を標的とできる集団型の戦闘方式、すなわち確率戦を展開せよ!
接近戦を避け、間接的・遠隔的戦闘場面を作れ!
圧倒的な物量・兵力数で短期決戦をねらえ!
誘導作戦によって敵を分散させよ!

★「弱者の基本は差別化」
−顧客層基本に重点化市場細分化を−
 
 企業が日常的に使っている戦略の一つに「ランチェスター戦略」がある。ランチェスター戦略とは、英国のF・W・ランチェスターが発見した「ランチェスター法則」を、米国のB・O・クープマンらが「ランチェスター戦略モデル式」を作りORとして発展させ、日本でシェア目標値、射程距離理論、三つの柱、弱者の戦略、強者の戦略などが追加されたものである。
ランチェスター法則
 第一法則は、個対個の戦いで、「弱者の戦略」の基本となる。第二法則は、集団対集団の戦いで、「強者の戦略」の基本となる。いずれも勝つためには、兵力数を増やす、Eを上げるが基本となり、兵力が少ない方が勝つには、兵力を集中する、敵士気を低下させる、敵兵力を分散させるなど戦略が必要。
◆強者・弱者とは
 強者・弱者は企業全体の売上げ規模でなく、特定の市場や地域でのマーケットシェアで決まる。シェアは利益率と相関関係にあり、ファンの数であり、長期間・高シェアをキープしてるのは「CS度が高い」ということである。
 シェア目標値と射程距離は活用すべきで、射程距離とは、一騎打ち・局地戦では戦力が三倍以上、広域的・総合的戦いではシェアが?√3?倍以上の差があると逆転できないが、これ未満なら逆転可能な距離のことである。
◆三つの柱
 ランチェスター戦略には、「NO.1主義」「弱者・弱点優先攻撃の原則」「一点集中主義」の三つの柱がある。
 「NO.1主義」とは、重点に置くべきものを決め、NO.1になるための重点化をめざすこと。「NO.1」とは、二位を射程距離(?√3?倍)以上引き離し、ほとんどの顧客があの会社・あの商品・あの店と認めてくれている一位のことで、?競争に強い?顧客に対する信頼度は他社を圧する?人材確保もしやすい?情報力も他社を圧倒できる?利益率が高い?さらにシェアアップしやすいなどの強みを持っている。
 「弱者・弱点優先攻撃の原則」とは、競争目標と攻撃目標の分離を図る時に重要で、どの敵のどこを攻めるかなど優先順位をつけて取り組むこと。「競争目標」とは、頭上の敵(自社と同等か、一つ上の敵)、「攻撃目標」とは、足下の敵(自社より一つ下の敵)で、市場、地域ごとに設定する必要がある。
 「一点集中主義」とは、重点化・専門化を優先順位をつけて徹底してやること。何を重点化するのか、どのくらい集中するのかなどポイントを明確にすると同時に、顧客層を基本に、重点化する市場を細分化する必要がある。
◆弱者の戦略
 第一法則から導き出されたもので、差別化(基本戦略)と五大戦略がある。
 差別化とは、Eを上げることで、その違いが顧客から評価されなければ意味がないので、CS(競合他社との比較の中でより顧客のことを考え対応する)そのものである。
 差別化の進め方は、?自社の強み、弱みを現状分析する?差別化できているもの、他社に差別化されているものを確認する?差別化を三つ以上考え、その相乗効果で大きな武器にする?見た目の差別化?顧客の困っていること?イメージ作り?欠点を直すより長所をのばすがある。
 五大戦略には、?局地戦?一騎打ち?接近戦?一点集中?陽動作戦があり、重点化・細分化・差別化などを取り入れてすべきである。
◆強者の戦略
 守りの目標と攻めの目標の二つがあり、ミート作戦(基本戦略)と五大戦略がある。
 ミート作戦とは、弱者の差別化に直ちに追随し、弱者の差別化の効果を消滅させ、「攻めさせない」というアピール、「あそこにはかなわない」と諦めるさせる効果も持っている。弱者はミートされることを前提に二の手、三の手を準備しておく必要がある。
 五大戦略には、?広域戦?確率戦?遠隔戦?総合戦?誘導作戦があり、弱者は、?メイン市場でシェアダウンしないよう、ダウンしても局地市場で一位を確保できるよう社内コンセンサスとる?狙いを絞り、集中する?広告宣伝に対し、クチコミ対応、ユーザー・セールスマンをひとりずつファンにしていく?手の内を読まれないように密かにじわじわ攻める?あわててマネをしないで、マネせざるを得ない場合も必ず差別化するなどの対応策が必要である。
◆Eを上げる努力を
 中小企業にとって、兵力数を増やすことは難しく、Eを上げて差別化することがますます重要になる。そのためにも優秀な人材育成と技術・商品開発が必要になる。